タケオ

サイコのタケオのレビュー・感想・評価

サイコ(1960年製作の映画)
4.0
「皆んな何かから逃げようとしている。だけど、誰もが皆んな罠にはまっているんだ。その罠から逃れることはできない。もがいてもお互い傷つけあうだけさ。一歩も先に進めないんだ。」
by ノーマン•ベイツ

サスペンス映画の巨匠アルフレッド•ヒッチコックは、本作で初めて本格ホラー映画の制作へと踏み出した。

この作品は前後半で大きく分けられており、前半では会社の金を横領してしまった女性社員マリオンの逃避行をヒッチコックお得意の心理描写を多用しながらスリリングに描き、後半では失踪したマリオンを探す妹のライラや恋人のサムが辿り着く衝撃の真相を背筋が凍るような演出とともに写し出す。

ネタバレ防止のためにスタッフで原作を可能な限り買い占める、3分間のシャワーシーンの撮影に1週間を費やすなど観客に衝撃を与えるためになら如何なる努力も惜しまないというスタンスには脱帽だ。

その甲斐あってか本作は第33回アカデミー賞で監督賞を含む4部門にノミネート!
伝説のシャワーシーンや光と陰を巧みに利用した演出は今なお模倣やパロディが繰り返され、サイコ•ホラーというジャンルの草分け作品となった。ネタバレとなるのであまり語れないが、今では定番化してしまった多くの設定を生み出したのも本作だ。

シャワーを浴びていて「怖い」と思ったことはありませんか?
扉から突如として伸びてきた影に恐怖を覚えたことはありませんか?
人の二面性を恐れたことはありませんか?

その全ての始まりはここにある。

サスペンスを、いや、映画を語る上では必須科目といっても過言ではない作品です‼︎
タケオ

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