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サイコのJIZEのレビュー・感想・評価

サイコ(1960年製作の映画)
3.8
モーテルの管理人"ノーマン・ベイツ"という超変態ヴィランを多重人格障害という擬装でシンボル化させ一人二役で降臨させたトリッキーな仕掛けがまず作品の勝因に思える。言わずと知れたサスペンス界を席巻したヒッチコック作品群の代名詞的な名作で客室のシャワーで主人公マリオンが何者かに刃物で不意を突かれ滅多刺しにされるくだりは未だに恐怖を覚え震撼させる名シーンなのだろう。犯人の群れをなす人格だけ抜粋すれば今年観た『ミスター・ガラス(2019年)』で登場する24人格を所有したケビン・ウェンデル・クラムのやっかいな設定に酷似しなくもない。あと序盤でマリオンが金品を持ち逃げするくだりは作品全体に呼応してたのかゆいいつ疑問である。最初から最後までノーマンの素性やモーテルに訪れる人間たちの動向など食い付きながら観れる未だに色褪せないサスペンス映画の傑作だ。
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