ピュンピュン丸

サイコのピュンピュン丸のレビュー・感想・評価

サイコ(1960年製作の映画)
4.4
検索の仕組みというのが自分にはよくわからないが、この映画のレビューを書こうとしてFilmarksの検索機能を使ったら、この「サイコ」がだいぶ下の方で見つかったことがむしろ恐怖(笑)。

誰もが認めるヒッチコックの傑作で、白黒の意味も、有名なシャワーのシーンももはやこの映画の代名詞だし、このジャンルの映画にとっては古典的な教科書みたいな位置付けになっている。映画の途中から観客を入れるな、とヒッチコックが注文したというエピソードも有名だ。

ヒッチコックは公開前のプロモーションで、「映画を見た人はまだ見てない人に決して結末を話していけない」と言ったというエピソードがあるが、ヒッチコック映画の優秀性は、むしろ、結末を知っていても何度でも楽しめる点にあると思う。

とにかく台詞の一つひとつが洗練されていて、教訓のように聞こえ、上品で機知に富んでいる。

お金で幸福を買うんじゃない。
お金で不幸を追い払うんだ!
とか、名言じゃないかな…。映画はむしろその逆になるとも言えるし、その通りになるとも言えるけど、

自分のお気に入りは、颯爽と登場した「探偵」の一言。

近所で評判の「正直者」を疑うのが、俺たちの仕事さ!

なんてね、カッコ良く決まる!
けど、とか言って、あっけなくやられちゃうのがくすくす笑えて、好きだなぁ。

けど蛇足とも思える点もある。
当時としては仕方なかったのかもしれないが、最後に精神科の医者の専門的見地が披露され、それがどことなく、押し付けがましいのだ。もう少し簡潔でいい。