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ヘヴンズ ストーリーのesakinariyaのレビュー・感想・評価

ヘヴンズ ストーリー(2010年製作の映画)
3.4
余命数ヵ月を始め、戦争映画からアクション映画まで死を扱う映画は多い。が、これほど死と向き合った映画があっただろうか?構成や死の重さを扱っているという意味では『21グラム』は最も近いかもしれない。が、個人的にちょうどトモキと同じくらいの子どもがいるからか、そしてそれが何でもない日常の中で起こったからかーー余命という余裕もないし、戦争だからや事故だからという諦めも起こり得ないだけにーーそれ以上に死の重さを思い知らされて、途中で観るのを止めようと思ったほど。実際、映画としてはやや冗長気味な長さなのだけど、しかし小さな子どもが大人になったとしても、その死は決して消えないということを物語るには必要な時間だったのだ。それにしてもアクション映画でもよく見られる1対1のあのシーンが、あれほど不恰好で、痛くて、何より悲しいシーンとして映し出したのは、この映画の最大の功績かもしれない。
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