ヘヴンズ ストーリーの作品情報・感想・評価

ヘヴンズ ストーリー2010年製作の映画)

製作国:

上映時間:278分

3.8

あらすじ

8歳の少女サトは、両親と姉を殺され、祖父に引き取られる。 サトはテレビ画面の中で「法律が許しても、僕がこの手で犯人を殺してやります」と強く言い放つ人を見た。妻子を殺されたトモキだった。その日から、サトにとってトモキは英雄になった…。

「ヘヴンズ ストーリー」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

瀬々監督の長い天国へのものがたり


ベルリン映画祭国際評論家連盟賞受賞
脚本佐藤有記。
監督瀬々敬介。



アンダーグラウンドからメジャー難病物、娯楽大作まで撮りあげている瀬々敬介監督。

最初作は、なんと「女相撲」という事で「菊とギロチン」が公開中。またまた、渾身の、力作やりたい作品の匂いがする。

そんな瀬々監督の長編映画が誕生。ツィッターで知る。何やら四時間強の作品。わがシネウインドにて上映もしていた。

ソフト化ならないかなあ?と心配してたら見事ソフト化。監督も「未ソフト化」を再上映の宣伝に付けた手前があったようすインタビューより。

裏ジャケ見るとクリミナルな文字。瀬々監督のテーマっぽい「殺人」「人間関係」の様子。

瀬々作品は今や全国区「千原兄弟」弟、千原ジュニア主演の「ヒステリック」のみ鑑賞。何気にボーイミーツガール物の小さな傑作。
昨今瀬々監督とジュニアのトークショーも開かれていた。行きたかった(東京に嫉妬)

上巻見てすぐに下巻をレンタルして鑑賞しました。



まず殺意、もしくわ殺人の消極姿勢のお話しだというのを受け入れられる方という大前提でお願いしたい。

映画は娯楽だけじゃない、違う物も見たいというお客様は確実にいる私だが。

そんなんあり得ないとか
いきなりそんな行為とか
いやあそれはねーろそこでとか
そんな連続映像だ。

だ、か、ら、あえての面白いネガティブ物語。作家性の強い映画である。だから面白いと思う。少なくとも妥協なき世界観を魅せてくれていて見ていてとってもすがすがしさも感じた。規制や事務所駄目だしも何ものもない感じの潔さも感じた。あと長さ278分を体感覚悟必須だ。



とりあえず2018年自宅鑑賞今のところナンバーワンの圧倒的重たいお話しぶりで引っ張る瀬々殺人から沈む天国物語のうらみつらみ。おもーたくも面白かったです!

9章からなる物語。
物にまつわるサブタイトル。から連なるやる人やれられる人と繋ぐ太陽、団地、僻地。

一見すると詳細な相関関係を頭に描きながらも、次第に見ていくと

どうやら悲しくも
何かにとどまる悲しみ

憎しみ
あきらめない
セックス
気まぐれ

たまたま

消失
廃墟
突拍子行動
殺意
家族
子供、子孫、以心伝心
再生
人形
失意
どん底
代行
逃避
寓話
自然に溶ける
天国、ヘブン
自分たちのヘブン
等々
さまざまな単語を見ながら俳優のもみあい、悩み、追いかける姿を通す

次第に論理的に繋げようとする筋オイたる思考は、画面上の苦しみに重ねつつ、
瀬々監督の表現するキャラクターの姿に何かを見る。

ラストの説明過多なんかもしれないが、私はそんなん思わずの歌も含め、大変面白かったです。

圧倒的な柄本明と佐藤浩市の素晴らしい存在感必見。
特に佐藤さんってこういう曲がった役が見れるのは、本来の日本映画の見所だと思う。佐藤浩市=真面目、熱血、一途みたいや役ばかり。なんでこういうぶっ飛んだ反対価値の役を見たい訳があると思う。
ムラジュンとヘンテコなやりとりのなか瀬々監督の廃墟ワールドが展開。この話必見。
村上淳も本作参加が強烈な印象になっているようです。インタビューにあり。

見ていくうちに確かにこれは一般劇場では出来ない事象がいくつも出て来る。シネコンにかけられない感じ。自主制作に近い本作だからこそ撮影1年、撮りながら脚本追加していき3時間が4時間になっていったよう。

中盤に入り
誰だこの圧倒的女性に歌手の山崎ハコさん。忍成君と瀬々ワールドをさまよう。
忍成君は、裏若手のネガティブ俳優だが、もっと売れてほしいですね!「リリィシュシュ」でお見かけしてからの久々の再会。

全編にほぼ出る長谷川朝陽。なんか見たことあるなあと思ったらコント集団「ジョビジョバ」の方だった。
監督曰く起用理由

「雀荘にいそうな人」

とのことで。熱演力演しておりました。もっと活躍して欲しい。深い悩みの瀬々谷に挟まれている役だ。

そして本作の子ども達も必見。全然ナチュラルな子ども達ではない。
ゆがんだなかから
もがき走り
間違いなく間違いにむけて
一心に突っ走る
自分たちの天国を探しに。

瀬々監督の投げ出した
ヘブンズワールドに時々ドキドキしながら、ラストなんとも言えない感慨になりました。

瀬々監督インタビューに黒沢清の「CURE」を明確にあげていて本作影響受けたカットがありましたね!見たときまっさきに思ったが、やっぱそうだった。

なんか瀬々監督に

「人は殺す可能性もある
殺される失意もある
そのなかに俺は俺をうづめて真剣に考えてみたよ!俺のヘブンズストーリー。長くても見てみろよ!ほらっ!なにが広がる!っ」

と言われたようなそんな気がした。

瀬々監督の天国にあの屋上風景と眩しい日差しと悩み奔走する残像を私に残した。



さて
瀬々監督、渾身のヘブンズ!!ロングヘブンズストーリー

瀬々監督ファンは、ぜひ!

本日やっと書けた、。
サコ

サコの感想・評価

3.5
どこにはじまりをみていいのかわからないけど、
怒りを見た人は、怒りに生きる
それが第三者であっても、そこに生きて、行動となり、ネズミ講のようにとめどない、、
それほどに、人間はクソでマジメで、生き苦しい
人間の営みにフォーカスしているはずなのに浮世離れしまくってる。ロケーションからなにから神々しさに満ち満ちててこんなすげぇもんがあるのかと驚愕。特にあの廃団地ね。時折映し出される幾何学的な模様から感じ取れる異様さは、人間がデザイニングしたという不変の事実による畏怖からくるものなのだろうか。今年劇場鑑賞した友罪も面白かったけどこの作品を前にすると霞んでしまうな。
2018 8.6 鑑賞
群像劇
力作には違いないが、ありえん話でしょう?
日傘

日傘の感想・評価

3.5
メインのキャストがみんなすげー良い この監督のキャストの活かし方が好き 寉岡萌希のあの眼差しを、日本で女優と呼ばれる人の他に何人が出来るんだろう
私は長尺自体は気にならなかったし、必要性もわかるけど、そのことで失われるバランスっていうものがあるんだな、難しいね(しかしそういうことをつるりとやってのけたのがクーリンチェ) でもあまり凝ると観客を選んでしまうよね

産みの痛みと死の痛みは同等なのかな、信仰を復讐に捧げた誰かの運命を、神様は値踏みしたりしない、でもこれが起こるべくして起こったということ、私は人生でこういう渦に巻き込まれないようにわりと気をつけて暮らしているし、脅威を感じている

人形劇がめちゃくちゃ良かったのにそのあとの流れとラストの曲いらんかったし、ここまでやったのに歌詞で語らせるな、と思いました。あと特に菜葉菜?のとこの展開はちょっと…
SHO

SHOの感想・評価

3.9
見終わった後も噛み砕くのが難しい。
エンディング曲、生まれる前の物語。
怪物が生まれたと戦争が起きた、でもその怪物を憎むものもまた、怪物となる。
戦争というものを一切扱わず、戦争の本質を伝える映画なのかもしれない。私が殺す相手はもういないという言葉。復讐の復讐は何?という問いかけが、いつまでも頭から離れそうにない。
私は苦手かな…。
切身

切身の感想・評価

3.3
すみません、登場人物が多すぎて&上映時間が長すぎて、頭の悪い私はあまり状況を把握できませんでした。
シンプルな映画が好き。
貝柱

貝柱の感想・評価

3.1

このレビューはネタバレを含みます

サトちゃんがいい!柄本明はトリハダたった。 キャスティングすてき。
前篇の中盤から、ん、みんな感情スーパーストレートに話すじゃん…と思ったけど、後篇はよかった
が!エンディング曲で監督の言いたいことが全て言葉で説明されてしまって拍子抜けしました。あと、友罪でもあったけど、家族を殺された人間は少しでも幸せを望んじゃいけないの?だめだよ。というパターンの会話で毎度興ざめする。監督は、伝えたいことが少しも違わず届いてほしいと考えているのか。

小室ゆらちゃんが、この頃は小室悠花として活動しているぽい、笑顔がかわいい !
bakuro

bakuroの感想・評価

2.0

このレビューはネタバレを含みます

長い割に最終盤までは飽きずに見られたので、それだけでも充分褒めていいのかもしれないが。過去に縛られる登場人物達には共感できず、一番まともに見えるのは過去と距離を置いているような殺人犯と、記憶を失っていく人形職人というのは、そういう狙いだったんだろうか。

と、途中までは思っていたんだけど、終わりが近づくにつれてどんどんお粗末な内容になっていく。死と出産の対比が陳腐すぎてびっくりだし、死者との再会のようなファンタジックな要素もだるい。とどめはエンディングの歌詞。この映画のテーマってそれだったの?
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