R指定のブラックなギャグアニメの劇場版。
しかし今作は不謹慎なだけに留まらず、“不謹慎に対する社会の在り方”を強烈に風刺したんだよね。
自らの不謹慎な作風を逆手に取った、見事な戦略の勝利だと思う。
レギュラーである小学生4人組が、カナダの映画に影響されて放送禁止用語を連発し、学校やPTAの問題に。更にはアメリカとカナダの戦争にまで発展する話。
とにかく、やたらとカナダが槍玉に挙がる（笑）口がパクパク動く。
テレンス&フィリップのお下劣な下ネタギャグに子供達の悪影響を懸念するが、アメリカの正義による“言葉狩り”皮肉る。
カナダの汚い言葉の映画は規制するが、アメリカ本国の暴力的な映画は肯定される。
そしてサダムフセインとかメチャクチャにネタにされちゃう。地獄のサタンの情夫で、カナダとアメリカの戦争を機に地上に君臨しようとする。なんつーネタだ。
そして、いつもフードで顔を隠している少年がラストで素顔を晒す。
サダムのくだりと、このシーンは凄い印象に残ってるな。
不謹慎なネタでも、大義名分がたち議論の対象にしてしまえば評価に値する物が作れる。そういう前例を作った事が凄い。
永井豪のけっこう仮面やハレンチ学園とかも、こういう方法でアニメ化できないモノかねぇ？と当時は思ったな。
アニメーションとしては決して作画の出来が良い訳じゃない。ゲリラ的手法のゲリラ的な作風。健全さの象徴であるミュージカルテイストで散々悪態をつくアンバランスさ。この危うい作風が最大の魅力！
