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イディオッツの白のレビュー・感想・評価

イディオッツ(1998年製作の映画)
4.0
西洋先進国のモラルや政治的正義のみならず民主的な共同体の理念さえ精神の牢獄として提示する。
愚か者(イディオッツ)を演じることで社会の良識の欺瞞を暴こうと攻撃するが、実際は法や道徳や家族といった規範に過剰に囚われているという矛盾。
現代における解放の困難さは、理想的なコミューン像が翻って露呈する。解放を阻む壁が社会、共同体、他者、内面と多重に存在し、行く手を阻んでいる。
ドグマ95が良い。ドキュメンタリー風のリアリズムと演劇の結実が、等身大で赤裸々な人間ドラマを描くのに適している。
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