天津甘栗

アバターの天津甘栗のレビュー・感想・評価

アバター(2009年製作の映画)
3.6
90年代から00年代にかけて進化したVFX技術の完成形であり、3D映画ブームの火付け役にもなった作品。
今作以後、洋画においていわゆる「露骨なCG」と感じるものはほぼ見られなくなった。

人間を除き、グリーンバックじゃない部分はどこ?と思うほどリアルなものが存在せず、映画というよりゲームのチュートリアルシーンが延々と続くような印象を受ける。近年フルCG作品は少なくないが、それらの映画と比較してもよりゲーム感が強いのは物語の舞台が異惑星だからか。

圧巻の映像美とか、アバター青いデカいキモいとかの印象を全て食ってしまうのは、アメリカンマッチョイズムの魂、前時代的な超好戦的大佐のヴィランっぷり。

エイリアンのごとく主人公たちを追い回す執念深さが見所ではあるが、彼の存在こそ「人間=ワルモノ、自然=ナヴィ=正義」というシンプルすぎる構造を明確にし、「『アバター』ってストーリー単純で浅いよね」と評される主要因だと思う。
因みにこの方、『ドント・ブリーズ』の盲目変態ジジイだったんですね。道理でしつこいわけだ…。
12月公開の続編でもキャストに名を連ねてますが、まさかの復活かな?回想出演であることを願う。成仏してくれい。

キモいとか言っちゃったけど、ネイティリは2時間経つと可愛く見えて来ます。人間の感覚って不思議。
天津甘栗

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