kingyohime

アバターのkingyohimeのネタバレレビュー・内容・結末

アバター(2009年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

ちょい前話題の映画。
昨日DVDで観ました。
実は私、この映画興味がありつつもあまり借りる気になれなかったんです。
第一に時間が長い!
160分以上。
そしてもう一つは、ストーリーが私にはかなりつらいだろうと思われたから。

地球人がパンドラという星の希少な鉱物を手に入れるために原地の人と同じ姿格好のアバターを作り、それを意識で操り、彼らの中に入り込む・・・という内容で、それの行き着く果てはどうなるか大体想像できたから・・・。

でもダンナが観たいというので借りて見ました。
感想としてはすごくいい映画だったけど、思った通り、私にはつらすぎる内容だったという事。後半くらいからほとんど泣きっぱなしで、泣きすぎて頭が痛くなってしまいました。

弱い立場の人間は特殊な能力でもない限り、力がある者に自分たちの物を譲り渡さなきゃいけないのか?
そんな事を思うと悲しくなった。
彼らの大切な大地が、自然が、仲間が、コーヒー1杯を飲み終わる内に無残にも破壊されてしまう。
その映像を観た時、胸がつまる思いがして苦しくなりました。

私こういうのダメなんですよ。
「ロード・オブ・ザ・リング」を観た時も、恐ろしいモンスターに囲まれて、人間たちが絶対絶命になった時、死を覚悟で闘うという戦士たちの不安そうな顔、恐怖に震える顔を観た時、涙があふれてとまらなかった。
絶対的に強い者に対して、叶わないだろうという者が叩かれるのを見てると胸が熱くなってたまらない気分になる。

これを見て、先進国(特にアメリカ)と豊富な資源をもちつつもそれを搾取されるしかない後進国の事がパッと浮かびました。
特にアメリカ人とインディアンの人々を揶揄した話だと思われます。

自分たちの物ってもそりゃ、自然や土地は誰のものでもないという考えもあるだろうけど、先にいた者に後から来た者には敬意を払わなきゃいけないだろうと私は思います。
共存するつもりなら上から目線じゃ無理でしょう。

それとこの作品の主人公が双子で足が不自由で車椅子を使う人というのが重要なポイントだったと思う。
本当なら双子で心に傷をもつという設定でいいけど、それだと観る人にはパッと分からないので身体的なハンデに置き換えたのだと思う。

主人公の双子の兄か弟だかは、パンドラの星の人々との「交渉に失敗した」と残された記録の中で言っていた。
それに対して主人公はパンドラの人々の目線になって、彼らと思いを共有した。
それは彼が弱い人の立場を理解できたから。
つまり何か足りない部分がある人は、それ故に「分かる」「感じる」事があるという事。
それに対して、上からの立場でしかパンドラの人々と関わる事のできなかった双子の片割れ。
彼には決して、この星の人々の気持ちは分からなかったと思う。

何だかんだ、書きましたが、とてもいい映画だと思います。
映像も美しいし、
それを楽しむだけでもいいと思う。
時間も全然長いと思いませんでした。
ただ私はもう観る事はないだろうと思います。
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