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隠された記憶のqudanのレビュー・感想・評価

隠された記憶(2005年製作の映画)
3.5
ミステリーの皮をかぶった別モノ。
ミステリーの構造をこういう風に活用できるんだなぁと感心してしまう。

犯人は誰か明言せず、それによって視聴者を巻き込むメタ的な作り。その点はファニーゲームに近い。

貧しい有色人種が犯人では? 復讐なのか? ひょっとして浮気している妻が犯人? 反抗期の子供のいたずら? 子供同士が共謀しているのか? ……。

主人公が色眼鏡で犯人を決めつけるように、映画を見る我々も犯人を探して登場人物をいつの間にか「やましさ」の色眼鏡で見ている、ということに気付かされるメタ構造。

盗撮の映像と映画自体の映像とを画質的に明確に分けないところも、映画を見るという行為自体が盗撮によってのぞく行為と差異がないことを示唆しているんじゃなかろうか。
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