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隠された記憶のやのレビュー・感想・評価

隠された記憶(2005年製作の映画)
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物語は複雑だが、基本的にステディカムであるように、シンプルに捉えられている。故に観客は突き放され、不安感に駆られる。ハネケが言うように、ビデオを送りつけた犯人が誰かは重要ではないのだが、解釈を求めてしまう。しかし、これもハネケの狙いなのだろう。

個人が罪とどう向き合っているかについての映画だと思っていたが、先進国と後進国との対比を捉え、先進国で生きるもののやましさや罪悪感を描いている映画でもあるとハネケが答えてて、少し腑に落ちた。主人公はやましい気持ちのまま生きていかなければいけないだろうが、もしかしたら記憶は再び隠されてしまうのかもしれない。人間の罪深さを感じる。
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