遅まきながら初ハネケ。どうせこういう作りの映画だろうとタカを括って観てみたら、意外にフツーで、でも最後はやっぱり、ああ、これねって感じだったw
解釈を観客に委ねるという手法は、時として深みを与え、表現に幅を持たせることができるものだけれど、ミステリーの謎解きに関して言えば禁じ手のような気がする。
えっとつまり、登場人物の内面にある真実だとか、その後の行く末だとか、そういうものは委ねて良くても、クイズを出して長々とヒントだけ並べて最後に「答え?そんなのないよ?何か?」って酷すぎるww
別にこの問題を解けとか、最後に答え合わせしますとも書いてないから詐欺とは言えないけれど。
テレビキャスターとして活躍する主人公の元に、我が家を盗撮されたビデオテープが届く。その後も次々と送られてくる盗撮ビデオの出どころを探るうちに、封印していた自らの過去が炙り出されていき、主人公は自分のやましさに苛まれ、、というお話。
ビノシュ演じる奥さんと一人息子との3人の関係性が面白くて、謎解きよりもそこばっかり集中して観ていたw
衝撃のラストシーンというしょうもないコピーが付いていたことは観終わってから知ったのだけれど、これを衝撃としか表現出来ないコピーライターに憤慨こそすれ、実際観ている時はオオ!と身を乗り出してしまった。
殺人ミステリーではないからと安心していたら途中ビックリ。しかし、どいつもこいつもイライラさせやがる大人たちwの中で、2人の息子たちはキャラも立ってるし、発言もスマートだし、まあある意味この親たちにしてこの子たち、そりゃしっかりもするよなぁと、ラストでなぜかホッコリしたw
どうとでも取れるにしては犯人の特定に至るには矛盾が多いし、かといって、犯人が誰かなんてどうでも良くなると言うのは褒めすぎだろう。
たぶん誰の心にも潜む「隠された記憶」を抉り出すのが監督のしたい事かと思われるのだけれど、そんなのそれぞれが触れられたくなくてそっとしまっていることなのだからほっといてください!他の作品もちゃんと観ますからw