隠された記憶の作品情報・感想・評価

「隠された記憶」に投稿された感想・評価

踊る猫

踊る猫の感想・評価

4.4
怖い……スジの整理からボンクラな私はデヴィッド・リンチ『ロスト・ハイウェイ』的なものを想像していたのだが、この怖さは思いつく限りでは(私の不勉強がここで祟って来るのだが)なによりも黒沢清氏と似ているように思われる。残虐な場面は二箇所しかないのだけれど、心理的にどんどんこちらを追い詰めて行くという巧みさにその共通性を感じたのだ。もちろん両者には重大な違いがあるが(黒沢氏のオカルト臭さがハネケには見当たらないこと、等々)、それについて語り始めると長ったらしくなるので控える。語弊のある言い方を敢えてすればこの映画はミステリではなく、サスペンスでもあるようで広く括れば立派な「ホラー映画」なのではないか。冒頭の長回しとロングショットに仕掛けられた「信頼出来ない語り手」の存在を感じてからは(予告編を観ていなかったもので……)、あとはもう追い詰められっぱなしだった。ネタを割りかねない禁断の領域にギリギリで触れればラストの並ならぬ緊張感を備えたロングショットと長回しは、この映画の犯人が実は誰でも良いのだ(誰でもあり得るのだ)という、悪意がフラットに広まっているという瀰漫こそがこの世界の「真実」なのだという事実を象徴しているのではないだろうか?

このレビューはネタバレを含みます

ファニーゲーム、ピアニストを観て衝撃を受けこの監督にハマりました。
ラストシーンの解釈は人それぞれだと監督がおっしゃっていて、なんだか納得。これだけ緊張感や焦燥感を計算しながら観客の深層心理を自在に操る監督はさすがだなとおもいます。エレベーターのシーンからのトイレでの会話が1番印象的。
唐突に巻き戻し画面のノイズが出たり、「あれ?今観てるのもひょっとしてビデオの映像?」と、常に画面に映らない第三者の視線に気を配らなくてはいけない緊張感がよい。
ハネケ監督の作品の中では一番 好きでした。
白を基調とした色使いが いいですね。鬱監督ではあると思いますが、不思議といつも魅入ってしまう監督さんです。
Wednesday

Wednesdayの感想・評価

3.6
BENNY'S VIDEOよろしくまたもビデオを使うミヒャエルハネケ。
「事態が残酷であればあるほど極端にシンプルに表現するのが私の手法です」とおっしゃるミヒャエルハネ。

相変わらず完璧な完成度。美しい映画。
何気ない日常を切り取るからこそ、何気なさを緻密な計算で作り出していてそれが完璧に美しい。
ハネケは好き嫌いにわかれるけど、彼の映画にはア・プリオリ的な要素があると思っているので我慢が足りないだけだと思うけどね。

サスペンスというものに対しての皮肉。
フランスに根付いたままの階級差別が悲しい。
無自覚の罪と意識的に忘れておいた罪。
ペシミズムのようにも思えるけれど、ただ事実をわかりやすく教えてくれているだけにも感じる。

人生で観なくていいとは思う。
青猫

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犯人はハネケ
tyapioka

tyapiokaの感想・評価

3.0
難解、といえば聞こえはよいが解釈の段階にすらいけない人も多くなるような作りはどうだろうと思う。実際、私もインタビューをみなければしっくりこないところも多かった。作品で簡潔させなければ映画としてはイマイチだと思う。
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