スギノイチ

修羅の伝説のスギノイチのレビュー・感想・評価

修羅の伝説(1992年製作の映画)
3.5
バイオレンスが激しく、リンチシーンや人体破損も結構えぐい。
70年代的な貧乏臭さは消え、ハリウッドのマフィア映画のようなクールなビジュアルに。
中でも、小林旭が敵役の頭を掴んでを熱湯に押し込んで溺死させるシーンはかなり強烈。
某番組で坂上忍が暴露していたが、このシーンの小林旭は完全に本気だったらしい。
理由は完全に小林旭の私情だそうだ。
さすがだぜ。

日活時代の小林旭はスタイリッシュなアクション俳優という認識しかないが、『仁義なき戦い』の武田以降の方が、どんどん魅力的な怪物に変化しているように思える。
『制覇』ではかろうじて保っていた体型も、本作ではすっかりセガール化している。
こんな体型で武闘派ヤクザもないだろ、と思うなかれ、東映の実録路線以上のバイオレンスが飛び交う平成のヤクザ映画の中でも、依然として王者の風格を損なっていない。
なんか、小林旭が偉そうにしてると嬉しいんだよな。そういう芸能人は今はいない。

この映画、ビートたけしもゲスト出演している。
『ソナチネ』の前年でまだまだギラついている頃だが、小林旭と向かい合うと色んな意味で小さく見える。
そういう点でも、改めて小林旭の怪物性を堪能できる映画だ。
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