こたつむり

暗殺の森のこたつむりのレビュー・感想・評価

暗殺の森(1970年製作の映画)
2.5
僕が映画の感想を書くときは、(1)ネタバレを書かない(2)あらすじは書かない、という制約を自分に課し、出来る限り映画に敬意を表した文章になるように心がけているつもりです(もちろん、例外もあります。罵詈雑言をぶつける場合も…)。
そして、名作、秀作、良作、面白い作品のときには、野暮にならないように。
凡作、愚作、駄作、つまらない作品の時は、ネタに走るか、それとも率直に書くか、悩みながら。
更には、未見の人も鑑賞済の人も楽しめるように…なんて志高すぎますかね。ま、志が高ければ高いほど挫折してもそれなりの高さまで行けるってもんです。ガンバリマス。

で。早速試練が訪れました。
本作品は名作、秀作、良作、佳作、凡作、愚作、駄作…どれですか?
物語序盤から頻繁な場面転換、説明不足な会話、それらを追いかけるので精一杯。いや、全然追いつけていないよ!見失っているよ!てなくらいの茫然具合。やがて足元がお留守になっているから障害物に躓いて転んで膝を擦り剥いて、気付けば僕の敵は睡魔だけ。欲しがりません、勝つまでは。それ行けそれ行け、グースカピースカ夢の中。

ということで、この文章を書くために2回目の視聴は必然でございました。
それでようやく物語の筋は掴めましたが…。まだまだ、登場人物の気持ちを理解するまでには至っておりませぬ。というか、幾つかの場面が未だに意味不明でございます。
これは、何度も繰り返し観ながら楽しむタイプの映画なのでしょうか。スルメ型映画とでも呼べば良いのでしょうか。
かなり前衛的です。容易にお薦めするのは難しいタイプであります。

また、物語の演出だけではなく映像表現も前衛的です。漠然と眺めているだけでも心に残るシーンの一つや二つは出来ると思います。それを観るためだけに眠気と戦ってみる…というのも選択肢の一つとしてはアリかもしれません。

ちなみに僕の心に刻まれたのは列車の中のシーンです。
あの太陽は当分忘れないことでしょうなあ。
夕陽なのにギラギラと迫りくるかのようで、
何となく幼き頃に見た夕焼けを思い出しました。
赤くドロリと血が溜まるかのような地平線と。
黒く聳え立った遠くの山と。
張り付いた笑顔と。
あの寂寥感を。
思い出して。
背筋が。
寒く。
僕。
こたつむり

こたつむり