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カンバセーション…盗聴…のhanaのレビュー・感想・評価

カンバセーション…盗聴…(1973年製作の映画)
4.3
ゴッドファーザーシリーズ以外のコッポラ作品は始めて。

ジーン・ハックマンとジョン・カザールが話し始める冒頭から既に良作の予感。
それは恐らく流れていたピアノの音色が洒落ていたのと、コッポラが撮る名役者二人の存在感が凄かったから。

依頼人から仕事を引き受け、盗聴を行い会話を聞きやすく解析していくプロの盗聴士が主人公。アナログな手法での盗聴には、当時を知らなくても懐かしさを感じる。

今回コールが引き受けた案件は依頼人から盗聴される側まで皆が謎に包まれていて、盗聴テープを何度聞き返しても疑問が湧くばかり。本質が掴めない。
盗聴士としてここまでと一線を引くのか、もっと踏み込んでみるのか。の葛藤と読めない彼の行動が面白い。

スローペースに進んでいたストーリーが後半に加速すると、面白さが増して目が離せなくなった。コッポラは、最も忘れ難い場面をドラマチック且つ感傷的に仕上げて、観る者の心を奪っていく。

絶望的な気持ちでサックスを吹くコールの姿が忘れられない。
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