マリリン

カンバセーション…盗聴…のマリリンのレビュー・感想・評価

カンバセーション…盗聴…(1973年製作の映画)
3.5
【たった1つの“会話”を巡る渋いサスペンス】
◉1974年度カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞。
冒頭の公園のシーンで1組のカップルから途切れ途切れに聞こえてくる会話。この1つのシークエンスがこの映画の重要な軸となっていて、たった1つのシークエンスと会話でここまで物語を構成できるとは驚き。
クライアントから依頼されてこのカップルの会話を盗聴することになった盗聴のプロのコール(ジーン・ハックマン演)は次第にこの会話にのめり込んでいく。路上ミュージシャンの音楽で会話が聞こえなくなっている箇所を特殊な機械で背景の音を消すと…なんとも不穏な会話が聞こえてくる。
カップルの身に何が起こるのか。不穏な何かが迫っていると知りながら見て見ぬ振りをできないコール。堅物で熱心なキリスト教信者の中年男性は徐々に平常心を失っていく。
クライアントの秘書が若かりし頃のハリソン・フォード。嫌味で洗練されたエリート感が似合っている。
アメリカ映画にありがちなカーチェイスや銃器戦はなく地味だけれども、ジーン・ハックマンの渋さやコッポラのモンタージュ技術などが大人なサスペンスを演出している。
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