わいわい

カンバセーション…盗聴…のわいわいのネタバレレビュー・内容・結末

カンバセーション…盗聴…(1973年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

こんな恐ろしい映画だとは思わなかったで・・・。

盗聴する側のハリーの視点のみで描かれる物語で、一体依頼が何なのかと、状況が全くわからないままハリーの生活を通してプライバシーが崩壊する恐怖が描いた非常に内面的な映画。盗聴という仕事柄から私生活で異常なまでに用心深いハリー、その自分をさらけ出さない性格から人との関係がうまくいかず、唯一寂しさを紛らわせてくれる相手だったであろうエミーも去ってしまう。そんな中、良心を罪悪感と強迫観念に苛まれ孤独で内向的なハリーの精神は静かにじっくりじわじわと壊れていくのが恐ろしい・・。
盗聴された内容が不倫カップルの彼女の夫殺されるという事ではなくて、実はカップルがその夫を殺害する計画だった!という結末も、殺された夫も妻に見放された孤独な人だったわけで、結果ハリーは同類な孤独な人の夫を殺す手助けをしてしまった形となり、それが自分で自分を殺すというような意味に思えて怖い!!最後、盗聴を疑い部屋をめちゃくちゃにする事で精神と日常が崩壊した様を描く。こんなラストありかよ!!!

他、面白いなあと思ったところは映画の「プライバシーの崩壊」のテーマとその撮り方。ハリーの部屋など、動きを抑えた引きの映像が多くてどこか「覗き見」しているような感覚になる。ハリーの行動や会話のプライバシーは観客である自分にはすべて筒抜けである!ハリーの主観に入り次第に崩壊していく様に恐怖し、さらに客観で観る事で全てが筒抜けでプライバシーというものは存在しないという恐怖に襲われます!!テーマと映画の相性の良さを感じた。