ねこだとらきち

流れるのねこだとらきちのレビュー・感想・評価

流れる(1956年製作の映画)
5.0
視点の置き方が圧倒的だ!
視点のコントロールこそが映画というメディアの特性なのだからつまり映画として圧倒的だ!
柳橋の芸者擬似家族の物語の話でありながらお座敷のシーンを一切廃して徹底的に主人公達の暮らしぶりを描くことからだけでも監督が何を伝えたいのかハッキリしてる。

これは芸者を値踏みするような男目線による柳橋文化の終焉をぼやくような話ではなく、
女性が一人で生きていくのがあまりに厳しい社会で力強く生きていこうとする芸者達の擬似家族が衰退して崩壊していく様を愛惜を込めてある人物の視点から描く話なのだから。

ポールバーホーヴェンの傑作ショーガールに近い視点だ。
あっちはショーシーンを出してたけど