映画の道化師KEN

トータル・リコールの映画の道化師KENのネタバレレビュー・内容・結末

トータル・リコール(1990年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

その記憶は嘘か真実か!

監督は「ロボコップ」のポール・バーホーベン。主演は「コマンドー」のアーノルド・シュワルツェネッガー。加えて「ハートブレイク・タウン」のレイチェル・ティコティン、「氷の微笑」のシャロン・ストーン、「トップ・ガン」のマイケル・アイアンサイド、「スタンド・バイ・ミー」のマーシャル・ベル、「ザ・カー」のロニー・コックスらが共演!

西暦2084年、地球の植民地となっていた火星ではエネルギー鉱山の採掘を仕切るコーヘイゲンとそれに対抗する反乱分子の小競り合いが続いていた。一方、地球に暮らす肉体労働者のダニエル・クエイドは毎晩行ったこともない火星の夢を見てうなされていた。夢が気になるクエイドは「火星旅行の記憶を売る」というリコール社のサービスを受けることに。しかし、それをきっかけに今の自分の記憶が植えつけられた偽物であり、本当の自分はコーヘイゲンの片腕の諜報員ハウザーだったと知る。クエイドは真相を知るため火星に旅立つが真実を隠匿するコーヘイゲンに命を狙われる…

フィリップ・K・ディックの短編小説「追憶売ります」を元に実写化したSF作品!

誰が敵で、味方は誰で、いつからが空想でどこからが現実なのかといったサスペンスとミステリーを堪能出来るのが本作の特徴。そして、序盤からエンディングまでの解釈は観賞者自身に考えさせるように作られており、自己で出した答えこそが正解であり、哲学的要素を含んでいる感じが実に面白い。

だが、それだけでは無く、シュワルツェネッガーの筋肉ゴリゴリアクションとバーホーベン監督の痛々しいグロい演出をフュージョンさせたキモグロアクションも必見。特に主人公クエイド役のシュワちゃんが無関係な一般市民を盾にして敵の銃撃を防いだり、タクシー運転手のロボットを運転席から素手で引きちぎってカージャックからのカーチェイスを繰り広げたり、シャロン・ストーン演じる悪女の眉間を銃でぶち抜いて「これで離婚成立だ」というセリフを吐くなど鬼畜の所業ともいえる荒技と倫理的に問題あるパワーワードが炸裂するシーンは観る人の脳裏に強烈な印象を残す。更に、名物の「2週間よ!」と繰り返し喋り続ける頭割れおばちゃんとカエルみたいな目玉が飛び出したシュワちゃんの顔芸が観れるのはこの作品だけなので是非、注目して欲しい!