たつなみ

トータル・リコールのたつなみのレビュー・感想・評価

トータル・リコール(1990年製作の映画)
3.5
最初に観たのは確か高校生位だった気がする。
当時は『シュワちゃんの”いつもの''話』位の印象しか無かったが、今になって改めて観るとそんな単純なストーリーでは無かったことに気付かされた。
全くお恥ずかしい…。

所々で''意味ありげな''演出があったり、突然『現実に戻れ!』と訴えるオッサンが現れたりと、ストーリーの本筋を辿りながら『これは現実なのか?夢なのか?』と、観ている観客も段々疑心暗鬼に陥ってくる。

後の『マトリックス』に繋がるシーンがあるのも面白い。
ネオは現実を求めてピルを飲むが、クエイドは今いる世界を現実だとしてピルを吐き出してしまう。

今思えば、当時人気絶頂のシュワルツェネッガーを主役にしていることですら、『絵に描いたような(ありえない)ヒーロー像』を描くための演出だった様にも思える。

人の記憶すらビジネスになるという、資本主義への皮肉、差別、偏見への抗議、人間の記憶と肉体の関係は?という疑問…と、考え出すと色んなテーマが含まれている。
結末の解釈も敢えてハッキリさせていない所がまた素晴らしい。
やっぱりバーホーベンってスゴいなぁ…。

あと目ん玉飛び出た顔は後に漫☆画太郎に影響を与えたらしい(ウソ)