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ホームワークのCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

ホームワーク(1989年製作の映画)
4.0
【究極の体罰映画】
アッバス・キアロスタミはイラン映画界の巨匠だが、知る人ぞ知る極道監督である。そんな彼の暴力性が垣間見れる作品がこれだ。

宿題をしてこなかった小学生を呼び出して尋問するという内容だが、質問するキアロスタミがもはや東映映画のヤクザにしか見えません。

そして、「何故宿題をしなかったのか?」と尋問を始める。「アニメと宿題どっちが好き?」と訊き、「宿題」と答えようものなら、「本当はアニメだろ?」といたぶる。中には、キアロスタミの尋問に耐え切れず泣き出す子もいるが、絶対に帰らせない。「宗教の授業があるから、、、」「んなもん、後で友だちに聞けばいいだろ!」「なら、宗教の授業で習った詩を暗唱せよ!」とキアロスタミは子どもに圧をかけまくり、慟哭の詩の暗唱を引き出す。

会話からは、体罰肯定が連呼され、宿題を頑張ったことに対する報酬は無となる。しまいには、式典での子どもの態度が悪いから音を消す。

トンダ老害監督だと辟易するのだが、ハネケのような厭な映画ジャンルとしては傑作の部類に入る。

ハラスメントに五月蝿い日本では絶対に撮れない体罰ハラスメント映画であった。
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