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ザ・クレイジーズ 細菌兵器の恐怖のSPNminacoのレビュー・感想・評価

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細菌兵器が流出した田舎町で人々が狂気と化す。ロメロ先生がゾンビ同様に社会風刺したパンデミック・スリラーは、まるで今の現実を見てるようだった。
映画は前置き無しで短いカットを畳み掛けるスピード展開。あっという間に軍が出動、町を封鎖して住民隔離しちゃうんだからすごい。といっても、問答無用の人権無視と隠蔽主義なのでますますパニック状態。そこから逃げ出そうとする消防士と看護師カップルら住民たち、軍や政府、科学者の攻防戦に。
ゾンビでもこれも戦うのは対ウィルスではなく、人間同士だ。感染者を見分けられないのは、人々とシステムはそれ以前に狂気を孕んでいるから。共通して当時の社会不安、政府不信、相互不信を反映してる。
とりわけ、汚れ仕事は誰かに押し付け、住民も兵士もただの数としか見なさず、科学を軽視し段取り重視で、現場を混乱させておきながら知らん顔の無責任政府がリアル。もはや天に救いを求めるしかない絶望のエンディング。ああ…。
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