LATESHOW

ザ・クレイジーズ 細菌兵器の恐怖のLATESHOWのレビュー・感想・評価

3.5
細菌兵器が田舎町に流出し
ガスマスクと防護服を着た
無機質な軍隊が突然やってきて
住民を追い出し
やがて感染し狂人となった彼らと
ひたすら殺し合う。
「ゾンビ」に連なるディストピア。
始終流れる緊張感のない
緩い音楽が余計に絶望的。

「狂った世界じゃ狂ってるほうがマトモかもしれませんよ」
誰が正気か判別も出来ず
安っぽい世界の中で
狂っていく恐ろしさ。
司令室でみかん食いながら
いざとなったら核落とせばいいじゃん
と呑気なお偉方も
愚痴りながら
能動的に死体を焼却する兵士も
感染した狂人らとなんら変わらぬ
クレイジーズ。

ロメロ監督はその見た目通り
優しい人柄だったそうだ。

その優しい人が怒ったのだ。
あるいは絶望したのだ。

ホラーとは
その時代の闇を映し出す鏡でもあり
また痛烈な風刺にもなり得るのだと
ロメロ監督はいつも教えてくれた。
監督、少し前の日本でも
この映画に似たようなことが
起きてましたよ...福島で。

低予算のB級だろうと
警鐘は今尚。
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