ザ・クレイジーズの作品情報・感想・評価

「ザ・クレイジーズ」に投稿された感想・評価

Kino

Kinoの感想・評価

3.2
ロメロは『クレイジーズ』細菌兵器事故により発狂する人々の混乱を描いていて、『ナイト・オブ・ザ〜』『ドーン・オブ・ザ〜』でもゾンビをモチーフに置きながら、社会風刺や、真の恐怖は人間のエゴだということを教えてくれました。
natsumi

natsumiの感想・評価

3.4
1週間のShudderの無料お試し期間が終わったので解約しようとしたらもう1ヶ月無料期間を延ばしてくれるという太っ腹さ笑

実はロメロ監督作品でゾンビ物以外は見たことなかったのだが、社会風刺パニックホラーということには何の変わりもない。登場人物たちが多めで最後まで覚えられなかったが、スネアドラムがいい味出していた。ゴタゴタしたシンゴジラっぽい。
映画開始3分でオッパイがチラッ。4分でケツ出し。逃亡親子の父がDayのリチャード・リバティ。娘のリン・ローリーをレイプ未遂。細菌トリクシーを作った博士はリチャード・フランス。Dawnの「ばか者~」の人。クレイジーズ軍団はビル・ハインツマンなどNightのゾンビやってた人達がフォロー。アウトブレイク細菌映画の走りか。しかし感染の恐怖はあまり描写されてない。多分にベトナム戦争から来る政府への不信感、70年代ヒッピー世代のドラッグカルチャーを比喩しすぎて本来の感染パニック色が薄い。感染してもただ単にラリッて酩酊状態になるだけ。笑ったり、独り言、躁鬱激しくなったり。しまいには「あれ、なんかオレ感染したみたいだ」。バイオ・インフェルノくらいのキレまくり泡吹き感染を期待すると肩透かし。結局「クレイジーズ」とは感染者ではなく政府や軍人、そんなもの作り出してしかも頑張ってワクチン作ってる科学者達、疑心暗鬼の浅はかな人間の事。冒頭、兄弟が電気消したりいたずらしあってるとこで、兄がゾンビらしき真似をして妹を怖がらせる。その背後に感染者の影・・・。面白いくだり。無線で怒鳴りあいとか、軍の業務連絡とかが多すぎ。

とにかくリン・ローリー。"Oh"は名シーン。
ロメロも市長役で出てる。
abdm

abdmの感想・評価

3.5
謎の細菌がばら撒かれ、それに感染した人々は正気を失い殺戮の限りを尽くす。
ゾンビじゃなく、暴れるのは生きた人間だけど、そのような状況下で必死に逃げる者、遠くからその様を傍観し楽観視するお偉いさん方、一体誰が一番クレイジーなのか分からん。

外的な恐怖と内的な恐怖、どちらも怖い。
ゾンビじゃないけどほぼゾンビパンデミック映画。細菌感染により頭がおかしくなっただけなので見た目がゾンビじゃないだけにタチ悪い。「あいつ殺してよし!」の判断つけにくい。
すごい社会風刺。全員無能。自分の事しか考えてない。「どいつもこいつもバカばっか!」というロメロおじさんのイラだちすら感じる。
しかし低予算感ハンパない。ほぼ会話劇で話が進む。この感じは「ナイトオブ〜」とも同じ。そしてゾンビじゃないだけに見た目のインパクトが弱いせいか全体的にダラダラした印象。
何やってんだ、博士。
何だったんだ、主人公の戦い。
そして大佐を待つ、非情と哀愁の辞令…!

なかなか痛烈で辛辣なイジメだったなアレは(笑)。
間に合わせ人事で不祥事の責任を負わされる罠。サラリーマンにとっては、映画の中の絵空事では無いのだ。☆

あの『処刑軍団ザップ』(1970)、『シーバース』(1975)のリン・ローリイが、ここでもアレです。☆(笑)
人喰いおばさんになった、『モデル・ハンガー』(2016)もぜひ観てみたい。こっちでDVD出ないのかなぁ…。

しかしこの作品も、『ザップ』のあの凄まじさには、到底及びもつかないね。☆
細菌兵器が田舎町に流出し
ガスマスクと防護服を着た
無機質な軍隊が突然やってきて
住民を追い出し
やがて感染し狂人となった彼らと
ひたすら殺し合う。
「ゾンビ」に連なるディストピア。
始終流れる緊張感のない
緩い音楽が余計に絶望的。

「狂った世界じゃ狂ってるほうがマトモかもしれませんよ」
誰が正気か判別も出来ず
安っぽい世界の中で
狂っていく恐ろしさ。
司令室でみかん食いながら
いざとなったら核落とせばいいじゃん
と呑気なお偉方も
愚痴りながら
能動的に死体を焼却する兵士も
感染した狂人らとなんら変わらぬ
クレイジーズ。

ロメロ監督はその見た目通り
優しい人柄だったそうだ。

その優しい人が怒ったのだ。
あるいは絶望したのだ。

ホラーとは
その時代の闇を映し出す鏡でもあり
また痛烈な風刺にもなり得るのだと
ロメロ監督はいつも教えてくれた。
監督、少し前の日本でも
この映画に似たようなことが
起きてましたよ...福島で。

低予算のB級だろうと
警鐘は今尚。
勝沼悠

勝沼悠の感想・評価

4.5
 軍の細菌兵器が川に流失。感染した人は発狂してしまう。発狂した人と感染を防ごうとする軍隊が襲い来る中、街から脱出できるのか。。。。

 人を狂わす細菌によって、目の前の人がそれによって凶暴になっているのか、地獄絵図によって狂ってしまっているのか、元々狂っているのか分からない混沌の世界を描いている。主要な登場人物の中に近親相姦をしてしまう人間が出てくるのだが、彼が狂気に及んだ理由が解明することはない。このへんの描写が本当に怖い。

 狂気とは外だけにあるのではない。内だけにあるのでもない。外と内、両方にあるものなのだ。
☆☆★★

2010年1月27日 シアターN渋谷/シアター1
>|