カナザワ映画祭にて。
フリッツ・ラングの『ドクトル・マブゼ』の続編。
発狂し精神病院に閉じ込めたマブゼ。しかし、世間ではマブゼを名乗るものが世界秩序の破壊を目的とした犯罪集団を作っていた。マブゼを名乗るものは誰か?
1933年の映画とは思えないほど新しい。マブゼの目的は金でも権力でも支配でもなく世界秩序の根本からの破壊だからだ。純粋悪というか、超革命的思想家と言うべきか。しかも、彼の悪意は伝染するのだ。犯罪集団を率いるマブゼはマブゼの精神科医なのだ。彼と接する内に彼の悪意が伝染しマブゼと化すのだ。
これが『CURE』の萩原聖人の元ネタなのか!しかもラスト!警察から逃げる精神科医が目指すのは精神病院。オリジナルのマブゼに会うためか?違う。彼はマブゼと会って発狂した元刑事と会うのだ。完全に発狂する精神科医。それと逆に正気に戻る元刑事。どう考えてもマブゼの悪意は伝染している。事件が解決したようにみせて何も解決してないラスト。繰り返すがこれ1933年の映画なのだ。新しすぎるだろ!