5500年前のメソポタミアのランプが殺人事件をきっかけに博物館に保管されることになる。そんな折、館長の娘がランプをこすって魔物を呼び覚ましてしまい…というストーリー。
「アラジンと魔法のランプ」に登場するランプの精ジニーが人を殺しまくるファンタジックなスラッシャーです。サブタイトルに逆襲とついてますが、特に逆襲要素はないです。
冒頭から屋敷に忍び込んだ三人の若者が家主の老婆をボコって斧で惨殺するバイオレンスな幕開けになっています。その三人をランプから現れたジニーが惨殺し、ランプは博物館に寄贈。館長の娘がランプをこすって、更にはめたらジニーに主人として認定される腕輪を嵌めて親子喧嘩した際に「パパなんて死んじゃえ!」といったせいで主人に忠実なジニーが娘の友人を殺しながら命令を遂行しようとするという内容です。
主人公はジニーに操られて恋人や友人を誘って夜の博物館に忍び込み、そこでパーティーをしているうちに次々殺されていきますが、標本のガラガラヘビが瓶から這い出して噛みついて来たり、ミイラが襲い掛かって来て肉喰いちぎられたりと博物館の展示物が襲ってくる所はちょっとホラー版「ナイトミュージアム」な感じで面白いですね。ただ、ファンタジックな殺し方はそれくらいで、天井のファンに頭突っ込ませたり、槍でつき殺したりボルト締めて頭潰した展示されてる仮面の角で刺し殺したりととその辺のスラッシャーとあんまり変わらない殺し方が多いですね。最初の強盗の上半身千切ったり、ロイの体へし折って分離させたりと上半身と下半身分かれさせるのが好きなようですね。ロイは「あぅっ」みたいな声聞こえたと思ったら次の瞬間もう死んでるので一瞬戸惑いました。ゴア描写は今の視点で見ると大人し目ですね。
前半は主人公と父親の関係や、主人公と恋人や友人達の学園での日常や主人公の元カレのクズヤンキーとのあーだこーだといったティーン向けなドラマが描かれて、ジニーによる殺戮が始まるのは後半に入ってからですね。クズヤンキー二人も博物館に忍び込んで色々やらかして引っ掻き回してくれるのかと思ったら、ドア越しに室内の声聞いてニヤニヤしたりドアの前に障害物置いて出られなくするくらいで全然引っ掻き回し役として機能してませんでしたね。
主人公の父親の恋人の女教師がナイフ持ったクズヤンキーを棒で叩きのめす所はカッコよかった。
ラスト近くで姿を現すジニーの邪悪なモンスターという感じの造形はいい感じでした。防火扉ぶち破って顔覗かせる所はモンスター映画っぽかった。
ラストは微妙な後味の悪さ残りますね。ジニーは消滅させたけど、消滅しなければ願いを使って父親や友人達を生き返らせることもできたかもしれないと思うと(まあ、ろくでもない代償要求されそうだけど)「父親を消す」という願いをなかなかかなえず友人達を殺しまくったのは根っから邪悪な存在だからかな?
まあ、ポンコツホラーではありますが、B級ホラーとしては平均点満たしていると思います。