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チャイニーズ・ブッキーを殺した男のnagaoKAshunPEiのレビュー・感想・評価

4.5
ラスベガスでストリップ劇場を営むコズモ(ベン・ギャザラ)はようやく劇場の借金を全て返済する。借金がなくなり舞い上がったコズモは、ギャンブルに大枚を叩くが一夜にしてまた借金を作ってしまう。借金を踏み倒そうとしたコズモは、借金返済の代わりに西海岸の大物、チャイニーズ・ブッキーを殺すことを依頼される……。

カサヴェテスの作品群のなかでも比較的、物語の輪郭が捉えやすく、「男性」が主人公という点で、カサヴェテスの生き写しのような作品だと感じている。
カサヴェテスの作家性は、常に「人間はなにかを演じている」ということを描いてきていると僕は考えている。
今作の主人公コズモもそうだ。
ようやく築いた自分の城(ストリップ劇場)を維持し続けていくために、ストリッパーや従業員の前で冗談を言ったり強がったり、外に出れば1人のオーナーとしてタキシードを着てリムジンに乗りシャンパンを開けて、虚勢を張ってでも彼にとっての理想の姿を演じ続けている。
常に様々ななにかを演じ続けている主人公の姿が、役者としても活躍する裏腹、監督としての顔も併せ持つカサヴェテス自身の姿が重ねられる。
コズモが自らの劇場に、カサヴェテスが自らの映画に、暇を得ずに自らを奉仕し続ける姿に二人を重ね、打ち震えた。