安堵霊タラコフスキー

チャイニーズ・ブッキーを殺した男の安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

4.7
いきなり最初に出てきた謀殺地下老?(門+品)の文字のインパクトに度肝抜いたけど、本編はカサヴェテス風フィルムノワールといった趣の作品

相変わらず進行は遅いけどベン・ギャザラをはじめ生きた人物たちを見ているだけで満足感を得られる安定のカサヴェテスクオリティになっていたが、これはストリップクラブが舞台だから気づいたことで、カサヴェテスの作品の大半は撮り方も性質もフレデリック・ワイズマンのドキュメンタリーをフィクションにしたかのような魅力が素晴らしいのだ

つまりドキュメンタリー的にフィクションを撮るという最近ルーマニア等でよく見る手法なのだけど、言わばその先駆け的な立ち位置なのに21世紀の映画より洗練されたものを作ってのけたカサヴェテスって本当に凄かったんだなと改めて気づいた

当たり前のようにそれまで毎度出演していたジーナ・ローランズがいないのは残念だったけど、逆説的にカサヴェテス作品における彼女の重要性も再確認できた

どうでもいいけどベン・ギャザラってファーストネームが同じベン・キングズレーに結構似てるかも