TaiRa

お茶漬の味のTaiRaのレビュー・感想・評価

お茶漬の味(1952年製作の映画)
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笑えて怖くて愛おしくて最高ですわ。あと小津の風俗描写って良いよね。パチンコ屋とか。

お見合い結婚で結ばれた夫婦が、改めて夫婦になり直す話。木暮実千代が旦那の佐分利信に嘘ついて遊びに行ったりするお嬢様出身のマダム。計画立てて嘘ついても旦那は全く話聞いてなかったりする。終始トボけた感じの佐分利信が良い味。妻は友達に旦那の悪口とか言ってるがどこか気持ちが宙ぶらりんな様子で、黙ってどこか見つめてる描写も多い。そういう積み立て方が良い。姪っ子の津島恵子がお見合いに反発して家出するとか色々あって起きる夫婦喧嘩の場面がやたら怖い。「座りなよ」「結構です」のやり取りで立ったまま無表情で冷たく怒ってる木暮実千代怖すぎ。ねこまんま食ってる佐分利信にキレる木暮実千代も怖いし。それが最後に仲直りして二人で台所入ってお茶漬けの準備する。台所へ向かうまでの夫婦の移動を見せる画面連鎖も電気の明暗、扉の開閉を重ねてて良い。木暮実千代が旦那ラブな状態になってる細かい芝居も愛らしい。台所が最後にだけ出て来るのも上手いしお茶漬けってチョイスを先のねこまんまと重ねてて振りが効いてる。女同士で会話してるとこの異様なスピード感とかやっぱ最高にクレイジーで面白い。鶴田浩二は変な役者だけど小津演出にハマってて逆に普通だった。あと室内のショットでトラックアップ/バックが重ねて使われてたけど、ああいうの他でもやってるのかな。カメラ動くの意外に思った。
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