お茶漬の味の作品情報・感想・評価・動画配信

「お茶漬の味」に投稿された感想・評価

最後の15分間を観るための100分だった
リアルすぎてこんなの逆に見た事ない。凄い。一方でとてもドラマチック。
最後のうわぁ、良いなぁの応酬・畳み掛け。
かげ

かげの感想・評価

3.9
 田舎の出身で庶民的で素朴な夫と容量の良いお嬢様育ちの高飛車な妻、熟年夫婦の関係を描いた作品。
 競輪、列車、タクシー、パチンコ、ラーメン屋、歌舞伎、様々な戦後復興期の光景は風俗史的な面白さがある。
 終盤の脚本にやや強引さがあると感じたが、調べてみると元々脚本は戦中のもので満洲で夫を出征に取られる話だったというから納得した。それでも、ラストの食事支度のシーンは印象的で「ムーンライト」をちょっと思い出した。料理はまごころなんやなって。
 これは映画とは直接関係のないところだけれど、冒頭出てくる修善寺の温泉は新井旅館という実際にある宿で、私は子供の頃親に連れられて行ったことがある。池が旅館の中庭のようになっていて、鯉に餌やりや食事の記憶がある。遠出はあまり好きではなかったが、いいところに連れて行ってもらったものだと映画を通してみると素直に思えるから不思議なものだ。
ても

てもの感想・評価

4.0
食テロ起こしますね。

ココ・シャネル出てきますね。

機械的な喋り方と切り替え方私だw

そして、この奥様酷いなとか思ってたけど、なんだかんだ分かる。ちょっと遅すぎたかもしれないが、そこなんだよ!そこに女は惚れるのさ!ってなるね。だからスイッチ入るのに時間かかることが多いのよね。うんうん。

にしても、当時にしては大分ハイカラな女性の描き方だったんじゃないかな。凄いな。

このレビューはネタバレを含みます

冗長。カタルシスへの壮大な前振りと観るか否か。木暮実千代の悪いところしか出ていない。まるで小津が小津を模倣しているような作品。
fuo

fuoの感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

う〜ん良いですね。小津監督の他作品にも言えますが、何気ない日常がこんなにも沁みるのですからやはり素晴らしいですね。

所謂、小津調ですが、これがまた絶妙というか素敵なんですよね。登場人物の口調にカメラの位置などやっぱり良いです。

内容面では、茂吉(佐分利信)の人柄が温かく印象的です。お台所にて糠を洗う妻の袖をさりげなく持っていた場面が今でも記憶に残っています。

一番の見所かもしれませんが、お茶漬けを美味しいと言い合いながら夫婦で食べる場面がやはり堪らなかったです。人生の何気ない一コマに静かな感動を覚えました。

小津監督の他の作品もまた鑑賞してみたいと思います。
セロリを聴こうっと。

このレビューはネタバレを含みます

女性の「嫌なものはどうしても嫌」という頑なさは本当によくわかるので、よくこの感情をちゃんと描いてくれてるなぁと感心した。
しかも妙子さんと節子ちゃんという世代の違う2人を描いているから良いのだと思う。これが妙子さんだけしか描かれないのだったら、妙子は本当に性格悪いな!って言われそうなところを、せっちゃんも描いてるからなんかそういう気持ちあるよね、って思える。

私は小津映画の「家族の緩やかな断絶」感が好きなので、あーこの2人も和解できないのかな……と思いつつ「まぁそれもしょうがないか……」と思ってたらそれからのラブラブっぷりに笑ってしまった。素敵な旦那さんだー!
あと、笠智衆がパチンコ屋のおじさんで笑いました。こういう役もするんですね〜。
Leyla

Leylaの感想・評価

4.3

このレビューはネタバレを含みます

描いているのは倦怠期夫婦のすれ違いと和解。大きなことは特に起きない、ささやかな日常会話の積み重ね。なのに没入できてしまうのが小津マジックなんでしょうね。
ローポジから撮る均整の取れた構図、カメラに向かって話しかける短いセンテンスのやりとり、何気ないおしゃべりかと油断していると時々出てくる刺さるセリフなど、観ている間じゅうずっと心地よい緊張感を強いられていて目が離せなくなる。

内容は、ワガママでお嬢様育ちの妻は遊び放題、ウソをついて友人たちと温泉旅行へ行き夫の悪口も言い放題。
エリートだけど朴訥な旦那様はむっつり、妻に興味もなさそう。
お見合いで結婚した育ちも価値観も違う2人は、年月を経るうちにいつしかすれ違いばかりの日々に。でも、あることが起きて一緒にお茶漬けをすすり…。

お茶漬けのシーンがとても癒やされるひとコマになっていて、ジーンとしてしまう。
あぁ、しみじみとよかったなぁ。なんだこの安堵感。まるでこの映画こそがお茶漬けのようだ。

ノンちゃん(鶴田浩二)とせっちゃん(津島恵子)のラストシーンはまるでフランス映画のように素敵でした。
エリート会社員ながらも質素な生活を好む夫と貴族的な生活を好む上流階級出身の妻。生活観の違いや家庭内別居、妻の役割(当時の価値観)を全面的に担う女中の存在により長らく蟠った夫婦倦怠期の終幕。
温泉旅行、野球観戦、パチンコ、競輪など庶民の娯楽的日常をゆったりと切り取った内容で、戦時中(制作当時)の事前検閲に引っかかり一度はお蔵入りとなった作品だが、戦後このシナリオに国民の価値観や生活の変化を書き加え無事公開に至った。
見合い結婚が一般的であった当時ならではの夫婦関係や、徐々に変化していく女性の立場が喜劇調に味わい深く描かれている。

夫婦間で激しく意見の分かれていた「お茶漬けの味(貧乏臭いvs美味けりゃいい)」をきっかけにしてお互いに理解、共感していくラストの愛情表現が素晴らしい。
>|