みおこし

孤児ダビド物語のみおこしのレビュー・感想・評価

孤児ダビド物語(1935年製作の映画)
3.7
朝から悲しすぎる訃報を聞いて、改めてコロナの猛威に戦慄するとともに気が引き締まる思いです。一刻も早い事態の収束を祈って、自宅で映画をたくさん観て英気を養い、今できることに専念しようと思いました。

巨匠ジョージ・キューカー監督の初期の作品。天才子役として知られたフレディ・バーソロミューくんが主役に扮した、ディケンズ原作の『デイヴィッド・コパフィールド』の1935年版。子供のときに、ダニエル・ラドクリフがこのデイヴィッド役に扮した1999年版のドラマを観たことがあったのですが、こんなにシリアスな作品だった記憶があまりなく...!幼い少年に次から次へと降りかかる災難の数々に衝撃を受けました。
優しいお母さんと乳母に恵まれたものの、継父とその妹が大変問題のある人で散々いじめられ、その後も売り飛ばされ...ととにかく波乱万丈な人生。立派な青年に成長後も大変な出来事に巻き込まれ続け、踏んだり蹴ったりの中でも文章の才能を開花させ、聡明な性格を忘れなかったデイヴィッドの姿は本当に凛々しくて、終始思わず親のような気分で彼を見守ってしまいました(笑)。

継父役のベイジル・ラズボーンの憎たらしさが印象的。他にもライオネル・バリモア、ウィリアム・C・フィールド、エルザ・ランチェスター、モーリーン・オサリヴァンと錚々たるキャストが次々と登場するので、息もつかせぬストーリーも相まってクラシック映画ファンはずっと釘付けになること間違いなし!
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