青二歳

サラリーマン目白三平の青二歳のレビュー・感想・評価

サラリーマン目白三平(1955年製作の映画)
3.9
逆サバをこなすジジババ怪優たちですが、年相応っぽい役所も味わいある。笠智衆サラリーマンもの。国鉄の社内報校正課に勤めて20年…目白三平の日常の物語。家庭では恐妻につつかれ、雨漏りと戦い、職場では社員の投稿作品を読み、彼らの労働に想いを馳せます。(鉄道オタクは見逃していないだろう今作、国鉄の修理工場は大迫力!)
カメオ出演の東千代之介が劇中の東横ホールパンフでも特別出演になってて笑う。美しいけども。ほかタクシーを阻む東急建設のトラックなど東急グループがチラチラと。あと東芝の扇風機おし。

目白に住むサラリーマン目白三平45歳、奥さん35歳…この公開年直前…年金の受給開始年齢が55歳から60歳に引き上げることが決まった頃(この時に45歳なら55歳からもらうことは可能だったと思いますが)。GHQが引き揚げ独立し、朝鮮特需で雇用もグッと増え高度経済成長に向かう機運を背景に見れば、当時にあっては"初老"であろう"サラリーマン目白三平"もまだまだ"壮年"というところでしょうか。会社を辞める時には子供が大学辺り…なお頑張らにゃあという台詞もあり、なんともまぁ…世のお父さん達の心の声ですね。その辺りは今見ても面白いものです。

また撮影当時の風俗が楽しい。東京駅地下名店街の高揚感!
青二歳

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