このレビューはネタバレを含みます
通して悲しい緊張感が続いた。
悪人は一人もいないのだけど、みんな少しずつ弱さを持っていて、そこから歪みが大きくなり悲劇に繋がっていく。
ずっとday dreamだったミュージカルがラストシーンでは現実にセルマが歌うことになった。最後の瞬間、せめて救われた気持ちで彼女が死を迎えられていたら良いと思った。
107stepsはとても印象的なシーンだった。
いくつもの弱者のレッテルを背負っても生涯を全うしたセルマの姿はとても力強く、世間一般の歪んだ偏見に対するアンチテーゼそのものだったように思う。