ひろりこ

ダンサー・イン・ザ・ダークのひろりこのレビュー・感想・評価

4.5
鑑賞記録&感想
【初視聴】
⚠︎〈PG12〉

★2000年 第53回 カンヌ国際映画祭🇫🇷 2部門受賞。
🎗パルム・ドール(最高賞)
🎗主演女優賞:ビョーク
★ラース・フォン・トリアー監督・脚本。

 セルマは踊る 暗闇の中で
     セルマは歌う 心の底から
セルマは祈る 息子ジーンのために。

ずっと前から観たい観たいと思っていて、意を決しての初視聴でしたが、確かに世間からは救いのない鬱映画とか胸○映画だとか言われても全く可笑しくない理不尽で悲し過ぎるストーリーだったと思います。だが、頑ななセルマ(ビョーク)の全身全霊を傾けた愛する息子への母の究極の愛を見ることができた。そして、たとえ現実逃避だとしてもミュージカルを心から愛していたことを…
自分自身、これほど魂を揺さぶられ、顔をぐしゃぐしゃにして号泣した作品は過去になかったかもしれない。そのくらいビョークの鬼気迫る演技と歌唱は素晴らしく、終始、心を奪われた。

カメラワークもドキュメンタリーのようなタッチで撮影されており、ずっと画面が上下左右に少し揺れている。多少酔いそうになるが、手法としてはリアリティが増して、好みもあると思うが悪くはなかったと思う。

ビョークの存在は自分が20代の頃から、北欧(アイスランド出身)の歌姫として知ってはいましたが、今まで彼女の曲をあまり聴いてこなかったことに後悔…

でも、この作品にほんの僅かでも救いがあったとすれば、セルマのことを母のように見守る歳上の親友キャシー、セルマとお互いに静かに思いを寄せる心温かいジェフらが最期まで傍らに居てくれたこと。

自分を心から理解してくれて悲しんでくれる人がたった数人でも側に居てくれることはとても幸せなことだと思います。

「心の声を聞くわ」

「赤ちゃんを抱きたかったの。私の腕に」

「これは最後の歌じゃない
      最後から2番目の歌 」

『My Favorite Things』

芸術的空想ミュージカル作品。

⚠️この作品はメンタルが絶好調なときに観ることを強くお勧めします。
ひろりこ

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