まさなつ

ダンサー・イン・ザ・ダークのまさなつのレビュー・感想・評価

4.0
20数年ぶりに再鑑賞。最近は少し前に観た映画でもあっさり忘れてしまう(笑)ほどの記憶力の老化に悲しい思いをしているのに、この映画はハッキリクッキリ憶えてました。それほど初見時のインパクトが強烈だったということかもしれません。

この映画を、鬱映画とか絶望シネマと分類されることもあるようで、確かに、アイツには心底腹立つし、セルマの後半にはイライラもさせられ、気持ちもドンドン落ち込んでいくのですが、あまりそっち側の印象より、シンプルに引き込まれ心揺さぶられる作品だと思いました。

どんなに妄想しても、現実の厳しさは1ミリも良くはならない無慈悲で不寛容なこの世の中。自分の思うようにはいかないし、後から考えたら何でああしなかったんやろと後悔してもどうにもならないことの積み重ねで人生は成り立ってたりもします^^;

視力がドンドンおちていくセルマに見えるのは、息子の未来しかない。彼女の全ての行動は、彼を産む覚悟を決めた時から宿命付けられたものだったのかもしれません?そう考えるとこの作品は、希望の映画とも言えるのかもと思った次第です。

開始40分ぐらいまではミュージカルだと言うことも忘れそうでしたが、ビョークさんの魂の歌は素晴らしいです。
まさなつ

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