号泣。ただただ悲しくて。こんな人生あってええんか。
あの世界的歌手ビョークが不遇で貧乏なシングルマザーを演じます。ここからただただ不幸のどん底に進んでいく、全く救いのかけらもない作品。
不思議なのは、ミュージカル調やのに違和感がないこと。こんな暗いストーリーにオシャレなミュージカルを山盛り詰めてくれてます。もちろんビョークなのであり得ん上手くてしびれます。環境音のリズムに乗せて始まるミュージカルパートは毎回とても素敵。最高です。
ビョーク演じるセルマはミュージカルが大好きで、息子とミュージカルだけが生き甲斐。この2点のみのために、遺伝で視力が落ちていきながらも身を粉にして働く日々。失明しても隠しながら。
そんな努力が全く報われない、それどころか更なる災難続きでほんまに苦しい。やからこそ自分だけの世界という妄想のミュージカルが儚くも美しくて、それでいて力強くて涙腺直撃。
てかこの監督「ニンフォマニアック」の人なんや。なるほど〜好きなテイストなわけや。
ただ、さすがにもうちょい上手い事たちまわれるやろってゆーか、回避できる災難が気になってしまった。それなければ4.2。衝撃うけたことは間違いない。
とにかくラストは鳥肌。3回繰り返し見てしまった。セルマの歩む107歩。担当のおばはんがええ味だしてましたね。なんという絶望。息子への愛、そんな綺麗でかっこいい表現では片付けられへん。なんのための人生なんでしょう。見てるこっちまで、自分は生まれた意味のある人生なのかと問われている気にもなる。
でもセルマには意味なんか最初からないんかも。運命を必死で走りぬける。悲惨でも、全うする姿は美しいです。
この美しい絶望を、ぜひ。
ビョークの曲いろいろ聞くようになりました。「Hyperballad」しか知らんかったけど、ええ曲いっぱいありますね〜。
"There's no more to see..."