このレビューはネタバレを含みます
移民の母親の痛いほど悲しい愛情の話
寄りすぎたり、引きすぎたり、動きすぎなカメラワーク。突如起こるミュージカルシーンすら、寄りすぎ引きすぎ。
まっったく画は映画的ではないのに、主人公セルマの全てがすごい圧力で迫ってくる。
「美的」「映画的」という観念をわざと蹴っ飛ばして皮肉っている気がする。
もうとにかく、総合して痛い。
痛いほど優しく、痛いほど意地悪で、痛いほど愛情があり、痛いほど不条理で。
後半からあまりに辛くて、目を背けたくなるのに、それが出来ない。
いつの間にか観てるこちら側が、純粋なセルマへ愛情を抱いてしまってラストまで寄り添いたくなってしまう。
DVDの小冊子で、ラース・フォン・トリアーが「エンディングを話したり書かないで」と言っていたので、ほんっっとうに申し訳ないけど。そのためにネタバレボタンも押したんだけど。
フィルマークス自体メモがてらに書いてるんだけど。
ラストでゾッとなにかの感情が来る。間接的にセルマのミュージカルの幕引きを出している雰囲気!
恐ろしいよ。