KnightsofOdessa

ダンサー・イン・ザ・ダークのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

2.5
No.1003["闇の中の踊り子"、それは光を失い続ける"純粋な愛"の象徴] 50点

単純で純真無垢、東欧移民、視覚障害。社会的弱者であることを強調し過ぎた結果議題が爆散していて言いたいかよく分からなかったが、映像ではなく言葉と態度として息子を愛していることは伝わった。フィックスと手持ちカメラの変え方はあざといから、やっぱりトリアーは自分の作ったルールに縛られて策に溺れている。だからこそラストで夢の中のミュージカル=フィックスと現実=手持ちが融合するシーンにエモさを見出すんだろうけど、与えられる希望は私には2時間半の茶番の後の浅薄なそれにしか見えなかった。

まだ私は子供がいないから子供の目線で考えてしまうが、"遺伝するのを知ってなぜ産んだのか"に対する"赤ん坊を抱きたかったから"という答えが頗る嫌いだ。すると、私の捉え方は"無償の愛"というより"ケジメをつけた"という感じになる。あれほど良好な親子関係なら必要なのは絶対に母親の英雄的死ではなく母親の存在だし、主人公の頑なな行動は最早息子の方向には向いていないと思う。

1月はトリアーを沢山観る!と息巻いていたが、取り敢えずこれでいいや。単純に長いし肌に合わない。
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