藍沢

ダンサー・イン・ザ・ダークの藍沢のネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

19/11/26
舞台の主人公になるまでは6歩、絞首台に立つまでは107歩。

個人的には、息子の手術は成功どころか実行すらされてないと思う。
眼鏡はセルマにとって"見える目"であって体の一部だったから、ある日から盲目になってしまっても眼鏡は着けたままにしてた。なんとなく、息子の眼鏡と一緒に"見える目"も持っていってしまったような気がする。
それでも、セルマはもう息子を目に入れることはできないけど、1本の眼鏡に息子の幸せを願って死にゆくのはキャシーがセルマに与えた希望なんだと思う。

目が見えて楽しく踊っている妄想が、今後生きていく息子への想いの強さなんだろうな。目が見えたら、目が見えたら、って何度も思ってきたし、あと少しで目が見えなくなってしまう恐怖を知っているから、何よりも(母の愛よりも)一生見える目を息子に授けたかったんだと思う。

これを見た日の夜、セルマの叫び声が聞こえたような気がして午前1時に目が覚めた。
藍沢

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