LalaーMukuーMerry

悲しみのミルクのLalaーMukuーMerryのレビュー・感想・評価

悲しみのミルク(2008年製作の映画)
3.9
人生初のペルー映画。ペルーで知ってることといえば、インカ帝国、マチュピチュくらい。フジモリ大統領以前の政治体制がどうだったか全く知らないが、治安が悪かったことだけは想像がつく。
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私の名はファウスタ、ペルーの年頃の娘。私の母は、目の前でテロリストに夫を殺され、凌辱されるというつらい経験をした。その時、母のお腹には私がいた。だから母の恐怖が母乳を通じて私に感染し、私は「恐乳病」という病を患うことになった。母はジャガイモを膣に入れ、二度と犯されることのないようにして暮らしてきた。母の勧めで病気持ちの私も同じことをしている。これで少し安心だ…
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こんな驚愕の設定が最初の10分で提示される。迷信と恐怖にとらわれて前に進めなかった娘が、一歩を踏み出し始めるというお話。静かで象徴的な雰囲気の作品。