斉藤隼也

しとやかな獣の斉藤隼也のレビュー・感想・評価

しとやかな獣(1962年製作の映画)
5.0
魑魅魍魎その中に貴方はいるぞ
テンポと構図が計算され尽くしていて二回連続で見て何にも退屈しなかった。

しとやかな獣これこそ現代日本人だと思う。
物質的裕福さを手に入れる過程で失ったのは人間性
もはや人間ではない家族ではない他人の富を貪るためだけに集まっている集団。
そこを嫌になる程的確に描く。すごすぎるでしょ、面白すぎるでしょ。
どこか日本人は理性的で真面目でというレッテルを自分達で張るが身近にいる嫌な奴はこんな奴ばっかり。
嫌だ嫌だと見ていると自分の姿がダブっているところがあるなんとも言えない残念な感じ
お母さんとお父さん役が最高
若尾文子に騙されるなら僕は喜んで身を捧げる。
税務署の神谷だけが多分この物語の天使であり僕はこの立場でありたいと願う。なんてね
みんなしとやかな獣なんだ!
斉藤隼也

斉藤隼也