1994年のヴェネチア国際映画祭、金獅子賞以下10部門を独占した傑作
斬新な構成に加え綺麗な映像と素敵な音楽がミックスされていてなかなか面白かった!!
3話オムニバスっぽいのだが、全ての章が繋がる。かつ最終章の最後が序章の始まり部分に戻る(そこからまた映画が繰り返される形、ループと言える?)ので凄い不思議
主要なテーマはマケドニア人とアルバニア人の民族対立
※以下ネタバレ含みます
第1章
マケドニア人地区内にある若い神父の住居に、アルバニア人少女が助けを求めてくる
※マケドニア人の男性を弾みで殺害してしまい、マケドニア人たちに追われている
2人は愛し合うが、他の神父たちに少女が見つかり男性は宗教の仕事をやめさせられる
男性はアルバニア人地区に一旦少女を連れて帰る
アルバニア人たちはよそ者と付き合う少女を非難する
男性と2人で逃げようとしたため、少女の兄が少女を射殺してしまう
第2章
雑誌社に勤めるアンは結婚しているにも関わらず、マケドニア人男性(写真家)アレックスとも付き合っていた
アレックスの紛争地区の写真が素晴らしい(第1章の射殺された少女の写真も出てくる)
アレックスは紛争地区の写真を撮った際に、自分の余計な一言のせいで殺人が起きてしまったことから自分の仕事に嫌気がさし、生まれ故郷(マケドニア)に戻る決断をする
アナに一緒に行くように頼むが断られる
第3章
アレックスは生まれ故郷マケドニアで昔の友人たちに会い酒を飲みまた交流を始める
昔、仲の良かったアルバニア人女性ハナの所にも訪れて挨拶する
昔の友人たちと再交流を始めて数日で、アレックスはマケドニア人とアルバニア人が民族対立で憎しみあっている事に気づく
アレックスの友人の一人の兄がアルバニア人少女によって(弾みで)殺される事件が起こる
マケドニア人たちは報復するためアルバニア人少女を徹底的に探す
少女はハナの娘だった
ハナはアレックスに娘を逃してほしいと頼む
アレックスはハナの娘を連れて逃げようとするが、友人たちに射殺されてしまう
ハナの娘は射殺現場から命からがら逃げ出す
ハナはマケドニア人地区内にある若い神父の住居に、助けを求めて入る←この場面が第1章の始まり部分と同じ
非常に興味深いストーリー、および映画の構成でした。
一見の価値あり!!