60年後半から70年代頃の日本、集団就職で各地から来て寮で一緒になった5人の若者。
勤め先の工場が潰れた為いっそ自分達でトラックを買って働こうぜ、ということになり5人それぞれが下働きで金を貯める始めるも次第にバラバラになっていく…という話。
もうなんか勢いが、勢いが凄いですね。
深作欣二監督らしくカメラが動きまくりブレまくりとにかくじっとしてない落ち着かない。
たまたま小津安二郎の作品とぶっ続けで観たのでカメラの動きがあまりにも対局にあるような気がして最初思わず笑ってしまいましたが、作品の内容とバッチリ合っていたのでやはり引き込まれました。
希望や怒り、暴力も含め、若者のエネルギーというのを動きと行動と体感的な若さで全て表現したような感じで、とにかく騒がしくて勢いに引っ張られました。
まず「行こうぜ〜!!」ってその場でジャンプして走り出す人達を映画で観たことありますか?(笑)
でも全編そのテンションに浸かるとこれが不思議と有りになるんですね。
5人の若者のうちのメイン2人、前田吟の常にイライラした表情と石立鉄男の声の張りが良かったです。
巨大な若いエネルギーの塊というのを“トラック”というシンボルとして出てきますが、そのシンボルがどういう結末を辿ったのか、その後の石立鉄男のセリフがこの映画の全てに思えます。
個人的には『君が若者なら』の後には「失敗しろ!そしてまたやれ!」と続くような気がしましたね。
劇中あれだけバタバタ動き回って挑戦と失敗を繰り返しても、それでも彼らにはまだ体力と気力があるし、時間があるのだから。