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誘惑者のENDOのレビュー・感想・評価

誘惑者(1989年製作の映画)
4.4
高純度の百合映画。2つの物語が並走する。冒頭のタクシー運転手の磯部勉の様子からして異常。草刈正雄が完全なる狂言回し。夕暮れのカウンセリング室で暗闇に溶けていく秋吉久美子の顔の翳りに背筋が凍る。空虚なセレブとしての石橋蓮司とのプールの会話。原田貴和子と河岸での思いがけない接吻の甘酸っぱさ。背景に通話者が映り込むセットによる電話の場面。土砂降りの中アパートの窓に直結する心中現場のCoca-Colaの赤いネオン看板。場違いな闖入者として無力に去っていく正雄…静かなる狂気。有無を言わせぬツアーガイド秋吉久美子の儚さが場を支配する!
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