GaPTooth

ゴルゴダの丘のGaPToothのネタバレレビュー・内容・結末

ゴルゴダの丘(1935年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

惜しいっ!実に惜しいっ!
[聖書]の福音書をなぞってはいるけどね。
全く[聖書]に忠実では無いね。残念!
まあ映画なんで、オッケー(*^ω^)ノ

ティベリウス・カエサルの治世。
ユダヤの総督はピラト。
ガリラヤの領主はヘロデ・アンテパス。
あと宗教指導者たちね。パリサイ人とかサドカイ人とかエッセネ派とかは、着ている装束や付けているモノを見れば一目瞭然。分かりやすいね。

物語はニサン9日から始まる。
イエスの磔刑がニサン14日だから5日前からだね。
[聖書]で言えば、マタイ21章の記述からね。
イエスがエルサレムに勝利の入城をされるんだけど、スタスタ歩いてっちゃう。いやいや、雌ロバに乗って入城しなきゃダメでしょう?!
それにイエスの母マリアはこの時は一緒にいなかったんだけどね(笑)

さらにマタイ21章12節と13節。
イエスが『神殿の中で商売』している者たちや(捧げ物用の)動物を追い出すシーンも説明が足りていない。[聖書]に精通している事が前提なんだろうけどね。イエスの行動の理由は、私は分かるが[聖書]を知らない人だと誤解しかねないな...多分。

宗教指導者たちが、イエスをひっかけようとして「人頭税に関する質問」をするのはマタイ22章17節~21節の通り。

そこから、ずーーーっと、はしょって、いきなりニサン13日にとんでるし(笑)

で、過ぎ越しの食事 と イエスの死の記念式の制定 とを混同してますね。これは痛い。

過ぎ越しは、モーセの時代にエジプトに対する『十の災厄』の十番目「初子の死」の時に、災厄がイスラエルの家だけを過ぎ越したことの記念として毎年行っていた祝いのこと。

イエスの死の記念式の制定は[聖書]の主題と関連していて、イエスが地上に遣わされた理由であり、成し遂げるべき事柄の一つでもあるんで、ものすごく大切なわけですよ。
神 と 使徒たちを初穂とする人間たち との間を仲介する《新しい契約》なんだから。

また、知っておいた方が良いのは、ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』も[聖書]の通りではないってこと。

当時は椅子なんか使ってなかったんですよね。低い机に右肘をついて、体の右側を下にして横たわって食事してたんで。

さらに、過ぎ越しの時は、苦菜と葡萄酒と無酵母パンだけじゃなきゃダメだし、死の記念式は、無酵母パンと葡萄酒だけなんだよね。それが、鳥の丸焼きとかがドーンと乗ってんの(笑)どんだけ[聖書]を無視しているんだ?!って感じ。

ぺテロが三度否認する場面、
イエスが笑われ、嘲られ、蔑まれ、イバラの冠を被せられる場面、
復活したイエスが、ぺテロに羊を委ねる場面、
など、全部、時系列と背景が[聖書]とは違う。

「エリ・エリ・ラマ・サバクタニ」はどうしたんだσ(^_^;)?なぜ言わないのか。

まだまだあるけど、もういいや。
最後のマタイ28章19節と20節が、そのまんまだったから(台詞としてだからね。当たり前)良しとしておこう。映画だもんね。

※ちなみに、2019年のニサン14日は、4月19日(金)だよ。もうすぐだね。
GaPTooth

GaPTooth