スガシュウヘイ

おおかみこどもの雨と雪のスガシュウヘイのレビュー・感想・評価

おおかみこどもの雨と雪(2012年製作の映画)
4.0
【しっかり生きて】

この言葉に尽きる。

「花」の物語。
「雨」の物語。
「雪」の物語。

三つの物語がしっかりと交錯しており、
それぞれの生き方に、すべて共感できる。

誰が花の行動を批判できようか。

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次第におおかみになっていく雨。
行って欲しくなかった。

でも、
二人がしっかり生きること。
それが花にとっての原点だったから。

別れの哀しみを打ち消すように響く遠吠えとサンライズ。
そのあまりの綺麗さに、何かが吹っ切れた。
もう、悔いはない。

花の思い、私にはちゃんと伝わったぞ!

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「雪」の物語も切ない。
秘密を抱える小学生。

「全部わかってた」
この言葉がどんなに嬉しかったことだろう!
それがしっかり伝わるアニメーションと脚本なのよね。

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生と死の別れ。
親と子の別れ。
生き方、考え方の違い。

そして「人種」の違い。

それは残酷で、
しかも避けがたい。

だからこそ、
2つの足で、
4つの足で、
しっかり生きるのだ。

本作は、ファンタジーでありながら、
現実を生きる哲学だ!

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「彼」が最初におおかみに変化したときの描写と音楽から、もう、惹き込まれてた。

アニメーターの描写力、脚本、音楽、すべてが素晴らしい。