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おおかみこどもの雨と雪のsumiccoのレビュー・感想・評価

おおかみこどもの雨と雪(2012年製作の映画)
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これまで3回ぐらい観ましたが
これは総評ではなく
ある人へのアンサーレビュー。

"あなたの大切な存在は誰ですか"

そう尋ねてきた人に
あたしもここで答えます。


あたしには
産んで育ててくれた母親がいます。
18年連れ添っている夫がいます。
困ったときに
挨拶もなしに話しかけても
戸惑わずに応じてくれる友だちがいて
そして
2人のこどもがいます。

でも。

彼らを
大切にするもしないも
自分が選んでいるんだなあって。

好きな理由は
いくらでも挙げられるけれど
それと同時に
イヤだった瞬間も思い浮かぶのが
すごく大切な人、の特徴です。

それでも
想うか想わないか。

信じるか信じないか
色々あっても、まだ信じるか
傷つけて傷つけられて
まだ信じてもらえると信じるか
もう一度信じられると信じるか。

許すのか、
すぐに許せないなら
許せない間、待つのか待たないのか。

ぎこちない期間、
相手を諦めた瞬間があって
あたしを見放した背中も見たことがあって
呆れた横顔や
わざと聞かせたため息まで。

そんなもろもろ、
本当にたくさんのもろもろもろもろ。

それを経て
まだ好きなところを挙げたいんですよね。
誰かがその人を褒めるなら
あたしが一番の褒め言葉をあげたい。
少なくとも
自分の中では一番しっくりきたい。

大切だよ、
愛してるよ、と声をかけるとき
一体どれぐらい伝わっているのか
それはきっと確かめ合ってもわからないから
消しきれない不安も丸ごと。

もし
伝わっていない分があるとしても
また伝えられる、その時間が
この先の積み重ねのどこかにまだある。

そうやって賭けて生きて
"大切" は楽じゃないけど
それでも "大切" を選べる自分を誇りに。


大切な人のことを考える時間は
相手を尊く思っている時間。
けれど本当はそれ以上に
誰かを大切に思えている、あなたが尊い時間。

なにかを、誰かを
大切に感じよう、と、あなたが選んだから
そこに生まれた尊い時間。


あたしは
あなたを大切に想う自分が好きです。
あなたの母親である自分が
心から大切です。
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