piroko

おおかみこどもの雨と雪のpirokoのレビュー・感想・評価

おおかみこどもの雨と雪(2012年製作の映画)
5.0
久々の満点映画!
 
母と言えば…とふと思い立ち、
今年の母の日に、実母に贈った作品。
 
実はその時点では観ていなかったのだけど
何となく母への感謝を伝えるなら、
しっくりくる気がして、ギフトにした。
 
のちに夫と鑑賞して、自分で震えた。
この映画を選んで大正解だったなあと。
 
気に入り過ぎて2回も連続で観て
大好きなシーン達を胸に刻み込んだ。
そして、2回目もやっぱり泣いた。
隣で珍しく夫も泣いていたのが個人的にはとても印象的だった。w

美しい涙を流したい時、
心を洗ってさっぱりしたい時、
ぴったりの作品。
 
 ***
心震えた理由は幾つかあるけれど。。
 
昔の母にも重なるシーンが沢山あるし、
親離れして、親の反対する世界に踏み入る時の心境もフラッシュバックして。
 
なんて事は無いシーンなのに
どうしようもなく泣けて泣けて泣けて。
更には息子の巣立つ未来を
雨に重ねたりして、
今、息子とこんなにもずっと居られる
日々の尊さを感じたり。
 
 
雪の駄々を捏ねるシーンと狼になるシーンの愛おしさもたまらないくらい好き。
可愛すぎる。
 
息子の成長も我儘もまるっと包み込んで
心から愛でたくなる。
自分が息子にかけられる時間、
家族と共有できる時間は
当然限りあるしあっという間だからこそ
この映画のような毎日の愛おしい時間を
鮮度抜群のまま大切に
真空保存しておきたい気分に。
 
 
 
元々、この映画との出逢いは、
なんと言っても音楽を担当している
高木正勝の楽曲だった。
 
大好きな雪の上を全速力で
家族で駆け抜けるシーンの曲、きときと。
 
ラストのアン・サリーさんの唄声と
高木正勝のピアノのハーモニー。
 
数年前LIVEで生で聴いたことがあった。
 
そのLIVEの時も、涙が溢れていたけれど。
映像と重なるともう止まらなく、
しばし終わってからも夫放置で放心。笑
 
しんしんと降り積もる雪のように
心に沁み込んできて、涙が頬をつたう。
 
自然と調和する彼の音楽にのせ、
この素晴らしく懐かしさと切なさを感じるストーリーが展開されていく。
もうそれだけで美しくてお腹いっぱい。
 
映画を丸ごとギュッと
抱きしめたくなるような作品。
 
誰の心にもある幼少期の原風景を
見事に描き、愛する夫と死別してもなお
懸命に限界まで全力な母の偉大さ。
 
語りが、雪視点なのも、とてもいい!
 
親になってみて、シングルでもないのに
こんなハナみたいに完璧な母には到底なれない自分を省みる時、不甲斐なく感じることもあるけれど。いつも娘として見てきた母も、こんな風に葛藤しながら私を育ててくれたのだなぁということを想うと感謝しかなくなる。親の完璧さは関係ないのだ、とも思えてくる。(苦労したけどw
 
圧倒的に息子を産んでからの方が、
母との距離感も整った感があるのはきっとここに描かれているような心情風景を
深く分かち合えたからなのかも。。
 
そんな事をこの映画を観て、感じた。
 
1人で子育てしているシングルマザーにもおすすめしたい映画だなぁ。
 
いつかまた、母でいる自分から
逃げたくなったときも
この母親奮闘記に舞い戻ってこよう。
うん、そうしよう。
piroko

piroko