インドに住む3人の友人同士の少女が、同じ1人の白人の青年に淡い恋心を抱く。
彼女たちの心の機微とやり取り、そしてインドの自然と伝統文化も見どころである。
女性の一人が、少女の頃の回想として、この物語を語っている。
その落ち着いた語りは、懐古主義的というより、前を向く彼女の強さを感じられる。
タイトルの通り、やはり河の持つ絶対性。
その存在は人々の脅威でありつつ守り神でもある。
そして河は人生、または社会そのものも表す。
河を通じて垣間見える人々の生活。
河に繋がるさまざまなタイプの階段が映るだけでも、そこでたむろする人々の様子が鮮明に浮かび上がる。
そして少女たちの友情と恋愛。
3人の少女の青年への態度の違いは、だいたいの女子が好きな男子にとるものみたいだった。
ガンガンアピールする者、アピールするもうまくいかずに日記に彼への思いを連ねる者、あえて距離を置く者…。
また、彼女たちにとって初めて見る若い白人の男性は、まさに異世界からきた者であり、外の世界への幻想も彼が背負っているように見えたはずである。
季節がめぐり、いのちもめぐる。
インドの原風景、そこの中心である河こそ、インドの土地と生き物を見守っている存在であることへの、敬意をひたすらに感じた。